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SPIRITS

教育ビッグデータとAI技術を用いた内省的読解力の向上

研究スローガン

インタラクティブな学習環境における批判的思考(CT)プロセスの学習分析

キーワード

批判的思考、批判的読書、オープンブック評価、マルチモーダル学習分析、インタラクティブ学習環境

研究背景および目的

情報化が進む現代において、学習者は 省察的読者(reflective reader)であるために、批判的思考技能、及び批判的読解技能を学ぶことが重要である。これらの技能は、人文・社会科学的な知識を理解し育むためにも求められる。たとえば、文学的な内容を理解するために、個人は文章を理解し、それを解釈する必要がある。オンラインオープンブック評価は、批判的読解技能を行う学習者のための省察的゙課題として考えられる。オンラインプラットフォームはそのような読解活動を支援することができる一方で、個人の読解プロセスを理解し、それをサポートする方法はまだ限られている。LA-ReflecT(省察的課題の学習分析)プロジェクトは、オンライン学習環境において学習者のインタラクションログを収集し、身体装着型装置のセンサーからデータを収集することを目的としている。LA-ReflecTの核心的な新しい切り口は、そのログデータから批判的思考のメタ認知プロセスを追跡し、学習者がそれを活発化することを支援することである。

成果の要約

LA-ReflecTプロジェクトは、ログデータを使用して学習者の批判的思考の過程を支援・追跡するためのインタラクティブな学習システムの設計に着手した。教師は、このインタラクティブな学習環境を使って、革新的な教授法を実施することができた。リーディング・ログ、アンケート、装着型センサーといった複数の情報源から得られたデータを用いて、批判的思考タスクのマルチモーダル分析に関する研究課題を開始した。この課題を達成するために、人文科学、デザイン、教育工学、認知科学、学習分析にまたがる国際的で学際的なチームを結成して共同研究を行い、様々な主要な学術フォーラムにおいて調査結果を報告した。

今後の展望

インタラクション・ログに基づき学習過程を追跡することで、それらのプロセスをサポートするための様々なAI駆動型サービスを取り入れる可能性が広がる。LA-ReflecTプロジェクトで設計されたプラットフォームと方法は、その方向でさらなる研究と開発を続けるための技術基盤の一つとして機能する。次の計画は、協同的批判的思考と読解における過程を調査し、the LA-reflecTプラットフォームに学習者を支援するための機能を追加することである。

関連写真・図

2021年11月22日にオンラインで開催された第1回ICCEワークショップ “Embodied Learning:Technology Design、Analytics&Practices”
LAReflecTプロジェクトで作成されたテクノロジーインフラストラクチャと同期データの視覚化

代表者情報

Rwitajit MAJUMDAR

代表者氏名:Rwitajit MAJUMDAR
所属部局名:学術情報メディアセンター
自己紹介:専門は、教育および学習活動における人間とデータの相互学習環境の設計と分析。インド、ビルラ工科大学ピラニ(BITS, Pilani)とインド工科大学ボンベイ (IIT Bombay) にて学び、勤務した後、2018年から京都に在住。趣味は、写真、インド古典音楽と、金継ぎ。
関連URL:https://sites.google.com/view/rwito/home