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SPIRITS

救急医療現場での教育手法を活用した総合的医療イノベーションプログラムの開発

研究スローガン

一般企業に現場感覚と医療データ分析能力を備えた人材を育成する教育プログラムを構築する

キーワード

医療データ、人材育成、医療ニーズ

研究背景および目的

近年、医療の現場で生成される様々なデータの利活用が推進されている一方、医療データと実臨床の乖離を考慮せずに分析を行うと「解釈の誤り」に陥る可能性がある。
本プロジェクトでは、一般企業から参加者を募り、多様な患者に対応する救急医療現場を観察環境として提供しつつ、臨床疫学や医療情報学等の教育コンテンツを組み合わせることで、医療イノベーションを志す企業にとって実用性の高いプログラムを開発し、人材育成につなげることを目指す。またそれによって、企業の視点から医療現場で求められる医療ニーズを発掘し、解決する具体的なアイデアを創出することも目的とする。

成果の要約

2021年は3名、2022年は6名が一般企業や保険支払基金からコースに参加した。新型コロナウイルス感染症の流行期に重なり、講義は全てオンライン提供となり、また現場見学も大きな制限下での実施となった。試行錯誤しながらプログラムを実施したが、参加者からのフィードバックは概ね良好な評価であり、実施できた範囲では満足のゆく結果となった。その結果を学会で発表した。また医療関係者と本プロジェクトに参加した企業とのネットワークを構築し、プログラムを通じて得られた新たな知見を共有し、事業化に向けた研究を進める準備を整えた。

今後の展望

この2年間の成果をより具体的なものにするため、これまでの参加者とコース終了後もオンラインを含めて交流を深め、今後は指導者として当プロジェクトに関わっていただけるようにフォローアップするとともに、これまで温めたアイデアの製品化を目標とする。

関連写真・図

コースのカリキュラム
救急外来見学の際、患者搬入がない時間帯には参加者に医療者や患者の立場を理解しやすくなる経験をしていただきました。

代表者情報

柚木 知之

代表者氏名:柚木 知之
所属部局名:京都大学医学部附属病院 初期診療・救急科
自己紹介:京都大学医学部卒業、京都大学医学博士。専門は救急医学全般、集中治療、外科、循環器、感染症。東洋医学にも関心があり、救急医療への応用を今後の研究テーマに考えている。趣味はギター・水泳・自転車・長距離走。

関連URL:https://qqigaku.kuhp.kyoto-u.ac.jp/staffs/