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多元素メスバウアー分光法の産業利用の推進

研究スローガン

特定元素の化学状態分析に優れた手法である多元素メスバウアー分光の産業利用への活用を目指す

キーワード

多元素メスバウアー分光、化学状態分析、電子状態、磁性、特定元素

研究背景および目的

メスバウアー分光は特定の元素の化学状態の分析に利用される分析手法で、例えば、鉄の場合、酸化(鉄さび)などの化学状態や磁性(磁石につく性質)などの物理的性質を分析するのに大変役に立ちます。当研究室ではこれを応用して、鉄だけでなく、金、ニッケルをはじめ、ジスプロシウム、ユウロピウムなどのレアメタルなど、さまざまな元素で利用できる手法を開発しています。これまで大学や研究機関の研究で主に用いられてきましたが、これを一般企業での製品開発や材料評価にも役立てるため、産業利用への活用を広げるための活動を実施しました。

成果の要約

多元素に拡大が可能なメスバウアー分光を一般企業にも利用してもらうにあたり、アンケートによるニーズ調査や、一般企業向けの講演、研究紹介イベントへの参加など、さまざまな活動を行いました。この活動により、これまでこの手法に関心はあったが大学とはつながりがなかった一般企業とのネットワークを構築できました。このネットワークにより大学や研究機関だけでなく一般企業も参加する「メスバウアー産業利用研究会」という新たな研究会として発足させて、研究会活動を開始しました。

今後の展望

メスバウアー産業利用研究会が、メスバウアー分光の研究者と一般企業の利用者が参加して情報交換や議論を行うための有意義な場とするため、今後のネットワークのさらなる広がりを目指します。メスバウアー分光の研究者と一般企業との連携を進めることで、大学の研究手法が、企業の新製品の開発や商品の性能などの分析評価などの産業活動にも生かされることにより、日本の最先端技術の向上に寄与していきたいと思います。

関連写真・図

オンラインと会場の同時開催を行った、第2回メスバウアー産業利用研究会の会場の様子

代表者情報

北尾 真司

代表者氏名:北尾 真司
所属部局名:複合原子力科学研究所
自己紹介:京都大学大学院理学研究科博士課程修了。博士(理学)。京都大学複合原子力科学研究所 准教授(現)。メスバウアー分光による物性研究、放射光を用いた核共鳴散乱の研究開発。

関連URL:https://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NRP/