Research Support
SPIRITS

環境エンリッチメント科学の立ち上げ

研究スローガン

野生動物と飼育動物、フィールドとラボをつなぐ

キーワード

野生動物、生息環境、ホルモン分析、DNA分析、画像解析

研究背景および目的

現代の野生動物は野外で暮らすものから、動物園で飼育されているものまで様々です。同じ種の動物であっても、すべての動物の暮らしを比較可能な方法で理解することは意外と難しいものです。この課題に取り組むために、様々な研究領域や手法を使って「環境エンリッチメント科学」に挑戦しています。まずは、野生動物研究センターの幸島と屋久島の研究拠点で、従来の研究の蓄積を生かしつつ、新しい研究手法を取り入れることで、この課題に取り組んでいます。

成果の要約

幸島や屋久島の研究拠点を活用し、ドローンやAIを用いた画像解析、DNAやホルモンを試料とする分子生物学の手法などをつかった研究を行いました。同時に動物園でも類似の方法で研究を行いました。これらの新しい手法は、従来のものよりも汎用性が高く、野生下から飼育下まで統一的に使える可能性が十分にあります。今後の課題の一つは、野生下や飼育下それぞれで、彼らが住む環境がその動物にとって、望ましいものなのかを評価していくことです。

今後の展望

野生馬のいる都井岬、絶滅危惧種のオオコウモリのいる口永良部島などにも対象を広げ、新しい研究手法を取り入れて研究を始めます。野外調査で得られた結果を、動物園などの飼育下の動物にも応用していくことが課題です。

関連写真・図

ドローンで撮影した屋久島の野生動物の生息地
宮崎県都井岬での野生ウマの観察

代表者情報

杉浦 秀樹

代表者氏名:杉浦 秀樹
所属部局名:野生動物研究センター
自己紹介:野生動物研究センターの幸島観察所、屋久島観察所を担当している。ニホンザルを対象に、音声や社会行動の研究を行ってきた。これと平行して、中大型哺乳類を中心とした長期的な生息数のモニタリングを継続している。

関連URL:https://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/members/sugiura.html