京都大学アカデミックデイ2019

哺乳動物の体を支えるアパタイトの科学

研究者からの一言:骨と自然にくっつく人工骨の開発に取り組んでいます

超高齢社会の到来により、疾患等で失われた骨を修復する人工骨など、さまざまな治療を支援する医療材料の需要が高まっています。私たちは、哺乳動物のからだを支える骨や歯の主成分「アパタイト」の性質に着目し、自然に骨と一体化する人工骨や、薬の効果を高めるカプセルなど、医療に貢献する新材料の開発を進めています。

出展代表者

大学院エネルギー科学研究科
 薮塚 武史 助教

参加者

大学院エネルギー科学研究科
 薮塚 武史 助教
 石崎 千尋 修士課程2年
 足立 裕 修士課程1年
 中西 晃太 修士課程1年
 橋本 教弘 修士課程1年
工学部
 高石 健士朗 4年

来場者より

これからも研究をがんばってほしいで賞
大学についていろいろ教えてくれたで賞
研究のウラ話を赤裸々に話してくれたで賞
大学選びの相談してくれたで賞
今までにないより良い材料が出来ることを期待していますで賞
資料が充実しているで賞
是非とも実現してもらいたい賞
骨が折れても大丈夫で賞
実用化を待ち望んでます賞

アカデミックデイを経ての感想

2年ぶりに参加をさせていただきました。
この会は学会とは異なり、ご年配の方々から小学生まで、一般の方々に広く京大の研究をアピールするためには欠かせない場であるとともに社会に成果をわかりやすく発信し、還元していくことの大切さと面白さを教えてくれる貴重な場であると実感いたしました。
今回ご来場いただいた参加者の皆様、そしてこのような素晴らしい会をご企画いただいた学術研究支援室の方々に同グループ一同厚く御礼申し上げます。

フォトギャラリー

研究者の本棚

本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。

今の仕事(研究、進路)を選ぶきっかけになった本

医学生

南木佳士 / 文藝春秋

著者が秋田大学医学部で実際に医学生だったころをモチーフにして書いたとされる名作中の名作。今にして思えば、本書が医学のお手伝いをする「生体材料学」という分野を志すきっかけの一つだったように思います。エリート養成機関が舞台の話にしては実に泥臭く、切ないエピソードが満載です。人の命をあずかる仕事に就くことの大変さが、内臓をえぐられるかのようなリアルな筆致で描かれています。

取り扱い: 京都大学図書館

今ハマっている本(誰かとこの本について話したい)

土を喰う日々:わが精進十二ヵ月

水上 勉 / 新潮社

少年時代、禅寺で育てられた筆者が、軽井沢の仕事場の片隅で畑を耕す中で、四季折々の収穫の喜び、そして心のこもった料理について、まるで土に語りかけるような滋味に富む名文で綴った一冊。

若者にお勧めしたい本

世界で一番美しい化学反応図鑑

セオドア・グレイ(著)、ニック・マン(写真)、若林文高(監修)、武井摩利(訳) / 創元社

ベストセラー「世界で一番美しい元素図鑑」「世界で一番美しい分子図鑑」シリーズの続編。本書では物質の化学反応に焦点を当てており、分子はなぜ結合するのか、モノに光を当てるとどうなるのか、さらには水はどのように沸騰していくのかなど、身近な化学現象をカラフルな写真とともにわかりやすく教えてくれます。

取り扱い: 京都大学図書館

完全図解 元素と周期表 新装版(ニュートン別冊)

ニュートンプレス

日本発祥の新元素「ニホニウム」も掲載されている本書は、化学の基本からそれぞれの元素の特徴、化学物質と日常生活とのかかわりについて、膨大な数のイラストを用いてわかりやすく答えてくれます。本書に限らず、写真入りの化学書は実に楽しく、社会人の方や受験生だけでなく、小中学生の皆さんにもおすすめです。

取り扱い: 京都大学図書館

自分の研究に関連して紹介したい本

人類を変えた素晴らしき10の材料: その内なる宇宙を探険する

マーク・ミーオドニク(著)、松井信彦(翻訳) / インターシフト

医療、情報、電気、食生活、交通、…私たちは普段何の疑問もなく最新の科学技術を享受しながら日常生活を送っておりますが、それらを根幹で支えてくれているのが「材料」の技術です。本書では鋼鉄、ガラス、紙、プラスチックなど、陰ながら私たちの生活を支えている10の材料にまつわるエピソードがまとめられています。なお第10章では、高齢者の生活を支援するインプラントについて語られています。

取り扱い: 京都大学図書館

ヴィジュアルでわかるバイオマテリアル 改訂第3版

古薗 勉、岡田正弘 / 学研メディカル秀潤社

現在臨床で使用されているプラスチック系生体材料、セラミックス系生体材料、金属系生体材料のほぼすべての説明がカバーされています。実際の医療現場で使用されている生体材料が写真入りで数多く紹介されています。お医者さんがどのような道具を使って我々の身体を治してくれているのかを知ることができます。

取り扱い: 京都大学図書館

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