京都大学アカデミックデイ2017
アカデミックデイ Information
日 時:2017年9月30日(土)10:00-16:00
場 所:京都大学吉田キャンパス 百周年時計台記念館
参加費:無料
お問い合わせ先:京都大学研究推進部「国民との科学・技術対話」担当
kenkyu-taiwa@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp
京都大学アカデミックデイ2017 プログラム
報告書を公開しました。以下よりご覧ください。
- 研究者と立ち話
- ちゃぶ台で対話
- 座談会
- 研究者の本棚
- 特別企画
研究者と立ち話
(10:00-15:30)
大学研究者、高校生等による研究紹介。ポスターの前にいる研究者に話しかけてみてください。 ※ガイドツアーあり(随時開催)
人の間に浮かぶ「意思」
「意思」って意外と不確かです
大学院情報学研究科
大本 義正 助教
ELCAS=京都大学×高校生×探究
ELCAS(エルキャス)の活動や成果を紹介します。
学際融合教育推進研究センター高大接続科学教育ユニット
渡部 祐司 特定研究員
ナノサイエンスで未来の太陽電池を創る
ナノサイエンスについて知っていますか?
化学研究所
金光 義彦 教授
くすりを組み立てる分子“触媒”の研究
モノづくりの原点は触媒にあり! 触媒について学ぼう
大学院薬学研究科
竹本 佳司 教授
次世代蓄電池・燃料電池開発を目指して
地球温暖化を抑えるための蓄エネルギー・創エネルギー
大学院人間・環境学研究科
内本 喜晴 教授
元素戦略プロジェクト
希少元素をできるだけ使わない材料の研究をしています
学際融合教育研究推進センター
田中 庸裕 教授/田中 功 教授
めっちゃ折れてん!2017
蛹になりたい Unfolding
ウイルス・再生医科学研究所
井上 康博 准教授
小さな磁石を用いたメモリーデバイス
なし
化学研究所
小野 輝男 教授
超伝導 電気抵抗ゼロって素晴らしい
エネルギーの無駄がない世界って素敵ですよね
大学院エネルギー科学研究科
土井 俊哉 教授
次世代の医療を支えるアパタイトの科学
骨と自然にくっつく人工骨の開発に取り組んでいます
大学院エネルギー科学研究科
薮塚 武史 助教
大学生から始める健康情報利活用
健康情報をデータ化して病気の予防などに繋げます。
環境安全保健機構附属健康科学センター
石見 拓 教授
脳の機能回復に関わる神経回路の変化
脳の機能回復の謎に迫ります。
大学院医学研究科
伊佐 正 教授
電子顕微鏡中でのナノの世界の力学実験
未来のものづくりのために、ものを壊しまくってますw
大学院工学研究科
澄川 貴志 准教授
環境低負荷型農業の確立を目指して
環境に優しい農業とは何か、ともに考えてみましょう
大学院地球環境学堂
舟川 晋也 教授
ナノ空間の世界と化学
狭い場所に閉じ込められた分子はどんな気持ちだろう?
高等研究院
北川 進 特別教授
教育・学習支援のためのデータ分析
未来の教育について研究しています
学術情報メディアセンター
緒方 広明 教授
構造欠陥が導くイオン伝導の世界
固体中を特定のイオンが流れるって不思議ですよね.
大学院エネルギー科学研究科
高井 茂臣 准教授
バルクナノメタル:常識を覆す構造材料
バルクナノメタルは金属の新たな可能性を引き出します
大学院工学研究科
辻 伸泰 教授
蛍光物質が救う90億人の食料
目に見えない農産物の蛍光物質を調べてみたら?
大学院農学研究科
近藤 直 教授
iPS細胞から輸血用の血小板を作る
血小板が足りなくなると困るので作ります。
iPS細胞研究所
杉本 直志 特定拠点助教
アフリカから人類の未来の幸せをみる
アフリカはすごい!アフリカはもっとたのしい!
大学院文学研究科
松田 素二 教授
音で見る -超音波による非破壊検査-
音波を操り,可視化する実験装置に触れてみませんか
大学院工学研究科
松田 直樹 助教
放射能汚染廃棄物のこれから
放射能汚染廃棄物は怖いですか?
大学院工学研究科
米田 稔 教授
木の物語を聴く、木のお話を読む
あなたは何の木が好きですか?それは何故でしょう?
大学院農学研究科
横山 操 研究員
光で探る生命の原理
光を使って、生命の仕組みをのぞいてみませんか?
大学院生命科学研究科
松田 道行 教授
英語教育や異文化理解に関する研究
午前は観光学と少数民族、午後からは英語教育です。
国際高等教育院
Daniel Milne 特定講師
イガイは意外といい!目指せ生産量向上
もっと大きなトラフグを食べてみたいと思いませんか
京都府立海洋高等学校
中島 幸一 教諭
うつわの正面ど~れ-古代人の認知-
考古学は発掘現場が勝負どころです!
文化財総合研究センター
冨井 眞 助教
効率的な検尿スクリーニングを目指して
のべ15万人の健診データ解析を行っています。
環境安全保健機構附属健康科学センター
松崎 慶一 助教
ゲノム編集で肉厚な真鯛、食べる?
ゲノム編集を使った品種改良について語りましょう。
医学部附属病院 臨床研究総合センター
佐藤 恵子 特任准教授
ナノ材料で病気を治す
医療に役立つバイオマテリアルの研究を行っています
大学院工学研究科
秋吉 一成 教授
分子科学の超高速実験と動的電子描像
福井謙一の化学反応理論以降の実験技術と理論の発展
福井謙一記念研究センター
高塚 和夫 リサーチリーダー
脳と認知機能のアンチエイジング
運動や楽器演奏のアンチエイジング効果は?
大学院総合生存学館
積山 薫 教授
アミロイドβの構造解析と診断への応用
アルツハイマー病の早期診断法の開発を目指しています
大学院農学研究科
入江 一浩 教授
ナノ構造研究の最先端:新しい材料開発
環境やエネルギー問題に材料科学の観点から挑戦!
大学院工学研究科
田中 功 教授
土石流が発生した時に危険な場所は?
砂防(SABO)って知っていますか?
大学院農学研究科
中谷 加奈 助教
ナメクジとあなたで始める新しい科学
研究に参加してみたいと思ったことはありますか?
大学院理学研究科
宇高 寛子 助教
複合アニオン材料でもたらされる新物質
複数のアニオンからなる化合物って知っていますか?
大学院工学研究科
陰山 洋 教授
人工遺伝子スイッチでがんを治す
DNAの塩基配列を識別する分子を創っています
大学院理学研究科
杉山 弘 教授
世界を変えるRNAテクノロジー
iPS細胞とRNAがもつ無限の可能性を伝えます!!
iPS細胞研究所
齊藤 博英 教授
甘いゲルで二酸化炭素をつかまえる
気体分子を捉える有機化合物を創っています
大学院人間・環境学研究科
津江 広人 教授
楔形文字の世界と文字認識の実現
楔形文字を粘土に刻んでみませんか!?
文学部ユーラシア文化研究センター
山本 孟 教務補佐員
炎を制する-超耐熱構造材料
燃焼温度の上昇が環境に優しいことを知っていますか?
大学院工学研究科
乾 晴行 教授
21世紀によみがえる魔女たち
魔女に関心がある方は、ぜひ参加してください。
人文科学研究所
河西 瑛里子 非常勤研究員
植物は何故薬をつくるのだろう?
植物は実は自分の身を守る毒を作っています。
大学院生命科学研究科
佐藤 文彦 教授
豪雨の謎に挑む
豪雨災害から命を守りたい、その強い思いを語ります。
防災研究所
中北 英一 教授
木からガソリンを創る!
循環型資源としての木の大きな可能性を伝えたい。
大学院エネルギー科学研究科
南 英治 助教
素粒子ってなんだろう?
いろんな装置で素粒子のことを調べています!
大学院理学研究科
市川 温子 准教授
サカナを使った蛍光イメージング
身の回りの「蛍光」をブラックライトで探してみよう!
ウイルス・再生医科学研究所
飯田 敦夫 助教
『土と水の科学』から見る生産基盤
土と水の科学に触れてみよう
大学院農学研究科
村上 章 教授
ちゃぶ台囲んで膝詰め対話
(10:30-12:00、13:30-15:00)
ちゃぶ台囲んで研究にまつわるあんな話、こんな話。お茶の間気分でのんびりじっくり話しましょう。
革新的放射線治療技術の開発と実用化(10:30-12:00)
世界初の照射技術の開発と臨床応用を進めています。
大学院医学研究科
溝脇 尚志 教授
大気汚染物質は何処から来るのだろうか(13:30-15:00)
空気中には未知の物質がたくさんあります。
大学院地球環境学堂
梶井 克純 教授
木の文化を観る(10:30-12:00)
日本の木に触れてみませんか
生存圏研究所
田鶴 寿弥子 助教
フロンテイア軌道理論;役に立つの?(13:30-15:00)
フロンテイア軌道理論って何? どこで役に立つの?
福井謙一記念研究センター
榊 茂好 シニアリサーチフェロー
共生進化の実験(10:30-12:00)
「「共に生きる」ということを、研究しています」
大学院農学研究科
等々力 政彦 博士研究員
変幻自在のマイクロミキサー(10:30-12:00)
泡と光で液をかき混ぜます!スクリューはいりません.
大学院工学研究科
鈴木 基史 教授
ヒトゲノムの深い理解を目指して(13:30-15:00)
ヒトゲノムの個人差、変異について知っていますか?
大学院医学研究科
藤本 明洋 特定准教授
「これは効く」ってなんだろう?(13:30-15:00)
がんと上手につきあうための研究をしています
大学院医学研究科
華井 明子 日本学術振興会特別研究員 DC1
お茶を片手に座談会
テーマに沿ってみんなで語り合うトークライブ。登壇者の話に耳を傾けたり、ふいに質問をしたり、思い思いのスタイルで参加できる企画です。
研究者の本音、メディアの事情、市民の視線 〜科学記事をめぐる3者協議〜
研究による知が市民に届く過程を、研究者、市民、情報編集者の視点で議論します。研究者が生み出す知が社会に浸透していく上で存在するハードルや3者の立場の違いを明らかにすることで、発信者、受信者、媒介者が知の共有化を推し進めるきっかけを目指します。
【時間】
13:30 – 15:30
【登壇者】
小林 傳司(大阪大学 理事・副学長)
引野 肇(高エネルギー加速器研究機構 広報室長)
詫摩 雅子(科学ライター)
松尾 浩道(京都新聞社 報道部 科学・大学担当記者)
飯田 敦夫(京都大学ウイルス・再生医科学研究所 助教)
司会 大西将徳(京都大学学術研究支援室)
研究者の本棚
(10:00-17:00)
京都大学研究者のオススメの本を紹介・展示しています。
研究者から
「今の仕事(研究、進路)を選ぶきっかけになった本」
「今ハマっている本」(誰かとこの本について話したい!)
「若者にお勧めしたい本」
「自分の研究に関連して紹介したい本」
の4つのテーマで本を紹介してもらいました。
学術書や小説から漫画まで、幅広いジャンルの本が推薦されています。
書籍情報は研究者の推薦コメントが付き。「愛読書が同じ研究者」に話しかけるのもよし、「こんな本が好きな人ってどんなことを研究しているのかな?」と顔を見にいくのもよし。推薦図書は手にとってご覧になれますので、秋の読書シーズンのお供選びの場としてもご活用ください。
映像上映・解説
映像企画(11:00-12:00)「Cubic Earth もしも地球が立方体だったら」
酒井 敏(京都大学大学院人間・環境学研究科 教授)
わからなくてもいい。おもしろければ。
わからないから面白い。本来、好奇心とはそういうものだ。「正解」があって、誰かがそれを知っていると思ったとたんに面白くなくなる。この物語にも正解はない。ほかにも、いっぱい可能性があるはずだ。生物は、そのような可能性をたぶんしらみつぶしに探って、最適解を見つけてくる。そこには、たぶん「論理」などもない。効率は悪いが、結果オーライなのだ。
子供は生物として本能的にそのような空想を広げる能力を持っている。効率化した大人の貧弱な思考を子供に押し付けるのはもったいない。彼らにはとことん妄想を広げてほしい。 もちろん、妄想のほとんどは現実には成立しない。それを身をもって知ることは、もっと重要である。しかし「身をもって知る」ためには、まずは妄想しないと始まらない。そして、ごくごくまれに、その妄想が当たることがある。「発見」とはそういうところにあるのだ。既知の知識を論理的に積み上げた先に発見が必ずしもあるわけではない。
今、世の中の多くの人は「既知の知識を真面目に勉強すれば、将来の難問が解決できる」と思っているように見える。これは極めて危険な思想である。既知の知識の中に、未知の問題の解答がある保証はないのだ。この危険思想から子供を解放したい。それができたら、この物語は大成功だろう。
(日本科学協会Webサイト 「立方体地球プロジェクトを振り返って」より)
【関連URL】Cubic Earth もしも地球が立方体だったら 解説サイト | 科学の普及活動 | 公益財団法人日本科学協会